無題
「このグループ好き」
「あ、私も」
「珍しい。由里子はともかく由里菜がそんなこと言うなんて」
「何その言い方。失礼な。それじゃあ私がCDばっかり聴いてるみたいじゃない」
「事実でしょう?」
「……まあ、そうだけど」
「で、どうして好きなの?」
「うーん。物語になってるところかな」
「は?」
「CD一枚でストーリーになってるところが私も好き」
「そうそう。それに聴いたら小説読んだ気になれるし」
…………
「……や、由里子は本読みなさいよ。聴くなとは言わないから」
– END –